すべてのウェブ上の言葉を,言語として認識できる能力があれば,どんな新しい言葉も普及していない言葉も言語として認知できる。ネットワークを土台として,フィルがディスプレイで話し出す。
quote:W3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の技術統括責任者であるティム・バーナーズ・リー氏はカンファレンスの基調講演で,音声認識システムへの取り組みに力を入れ,この分野を活性化させるよう呼びかけた。同氏は,音声認識を人間の脳による認識のようなレベルまで引き上げなければならないとし,W3Cが策定する標準で,音声認識の高度な活用が促進されると述べた。
ネットワークによる膨大な情報の保管とその情報の自由な流通,そして完璧なる音声操作,このふたつで頭に浮かんだのはナレッジナビゲータだ(過去記事)。ナレッジナビゲータは,物笑いの種だった。そんなものが実現するときには,いま生きている人は誰ももう生きてないよと失笑を買った。だがそれから10年ちょっとで,ひとつ目の情報の保管と流通は,実装が目にみえてきた。もちろんまだまだそれを阻害しようとしているアホ(著作権が大事だと云いたい人たち全員)は残っているが,滅びるのはもう間近だと多くの人が気付き始めている。そして,ナレッジナビゲータが情報を参照して引き出す場所,は完成する。
問題はもうひとつの音声認識だ。タッチパネルと音声で操作するナレッジナビゲータだが,そのほとんどはフィル(エージェント)に話しかけることですんでいた。だが現実の音声認識をみると,ずいぶん前にIBMなどが製品をあれこれ売っていたような気がするが,いまだに音声認識は使い物にならないものの代名詞でしかない。実際,バーナーズ・リー氏が云っているようにまともに使えるようになるにはエライ発展が必要だろう。だが,ネットワークの進化をまざまざとみてきた人間は,もうナレッジナビゲータを笑わない,笑えない。実現可能だと信じられる。遠くない,未来に。
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